1400km離れた学生と奏でる 北大×京大ジョイントコンサート2024

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演奏会を終えて 音楽は「世界共通語」

ジョイントコンサートが、初心に帰る機会になった。「北海の幻想」と「都ぞ弥生」の二つの合同曲に参加した北大オケの小林幹(もとき)さん(トランペットパート、医学部2年)はそう語る。

北大オケも、構成員の出身地や楽器歴はさまざま。今回京都から来てくれた学生と交流することで、「入団当初の気持ちを再認識させられた」と振り返る。


 また、個人の技量に大きな差はないことが自信になった一方で、集まったときのニュアンスの揃え方・解釈など内面的な部分の一致や、練習への意識、場数をこなしていることによる京大オケ全体としての磨かれた音楽に、改めて刺激を受けたという。


 あまり経験することのない、他大学オケとの合同演奏。

「見ている譜面は同じでも、やりたいことが違う」。初めての、他大学オケとの合同演奏。共通意識の擦り合わせを通して学んだことも大きい。

たとえばソロが多い「北海の幻想」では、それぞれの大学で吹くソロパートを持ち寄り、どのような音楽にまとめ上げるか意見を交わす場面もあった。一方で再認識したのは、「世界共通語」としての音楽の力。

「どこにいようが、どこからこようが、音楽をするってなると、同じものになる」

演奏会の様子。演奏されているのは「北海の幻想」(提供:北大オケ)

普段は遠く離れた地で暮らす学生同士が、音楽を通して学び合い、高め合う。

伝統への回帰と、学生たちの生きた学びが見えた、今回のジョイントコンサート。両オケは5年後、どんな成長した姿を見せてくれるだろうか。

(取材・執筆・撮影:高橋)