1400km離れた学生と奏でる 北大×京大ジョイントコンサート2024
8月26日、カナモトホール(札幌市民ホール)にて開催された、「北海道大学交響楽団×京都大学交響楽団ジョイントコンサート2024」(以下、ジョイントコンサート)。
1400km離れた京都の学生と共に奏でる音楽と、そこに託された思いに迫った。
開催は5年に一度 演奏旅行の締めくくりに
北大と京大のジョイントコンサートの開催は2019年以来、5年ぶり。
演奏旅行や各地の大学との合同演奏会を5年周期で行っている京都大学交響楽団(以下、京大オケ)から今年もオファーがあり、12回目の合同演奏会が実現した。
京大オケは8月に演奏旅行で北海道各地を回っており、北海道大学交響楽団(以下、北大オケ)とのジョイントコンサートはその締めくくりにあたるという。
今回、北大新聞は合同練習と本番当日に密着した。
《取材》合同練習
演奏会の準備は通常、1、2ヶ月前から行われるが、ジョイントコンサートへ向けて北大生と京大生が合同で練習できる期間は3日間。1日目はパート単位の練習、2日目は弦楽器、管楽器それぞれでの練習、3日目は全体練習を行い、徐々に完成に近づけていく。
北大オケのコンサートマスター(以下、コンマス)である武田柚希さん(医学部3年)は、合同曲の練習について、「別々で練習してきたのでゼロからというわけではないが、(京大指揮の曲に関しては)どう指揮があるかわからないので、不安もあり楽しみもあり」と語った。曲の雰囲気や解釈などは合同練習までに共有できていなかったという。
取材した日は、合同練習3日間の中日。
1日目を終えた時点での練習の所感について、武田さんは「楽譜は一緒でも、どういう曲にするのかという考え方が根本的に違っていた」と話す。たとえば合同曲である「楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より第1幕への前奏曲」では、綺麗さを重視する京大に対し、北大は重厚感のある演奏。京大の指揮者が指揮を振るこの曲では北大側が対応したいとし、逆に京大にとっては北大の用意する「北海の幻想」が山場だろうと話した。
北大オケに比べ、京大オケは遅刻や欠席に厳しく、練習もストイック。雰囲気の違う他大学のオケとの練習について、京大オケコンマスの亀田宗典(そうすけ)さん(総合人間学部4年)は、「練習の際の言葉遣いが違ったりして、コミュニケーションが普段より難しい」としつつ、他大学のオケと「一緒に弾けること自体が新鮮」だと前向きに語った。