北大祭のお片付け~建築堂編~

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段ボールや貼り紙によって飾り立てられたテントがメインストリートに立ち並ぶなか、一際目を引く建築物。まるで縁側にいるようなくつろぎを与えるその空間は、工学研究院建築デザイン学研究室が出店する「建築堂」だ。

多くの人の憩いの場となった建築堂(8日)

この「どこでも組み立てられる」和室は、「くみたて2020」と名づけられており、2015年に始まった社会実験的なプロジェクトの一環だ。木材の利用の活性化、SDGsや資源循環の啓発、和に親しみをもってもらうことが目的だ。プロジェクトが始まって以来、北3条広場(アカプラ)などでは公開してきたが、学内での披露は初めてだという。

大きな特徴は、専門的な知識がなくても、建材をはめこむだけで組み立て・解体ができるという点だ。取材に応じてくれた同研究室の髙橋陸さん(修士2年)は、「今後建材を少なくしたり軽くしたりして改良を試みたい」と語る。

ただし、木材でできているため火に弱く、加熱を必要とする調理は難しい。今回はあんみつとぜんざいを提供していた。


PM9:00
 翌日の悪天候に備えて建築堂の一部を解体する。
 2日目の北大祭終了のぎりぎりまで、建築堂を訪れる人は絶えない。研究室の面々も、名残惜しそうに何枚も写真を撮っていた。

天井を取り外し、畳をはがし、障子を外し、柱を寝かせる。20分ほどすると、構造の三分の一が解体され、ただの木材となって、工学部の建築棟へ運ばれていった。

建築堂の解体を行う工学研究院建築デザイン学研究室の院生たち
建築堂を解体して出た金具。建物の三分の一を解体しても、数本のねじしか出ない。
解体後の木材を工学部建築棟へ運ぶ同研究室の院生
一部を解体した建築堂

髙橋さんは、「いろいろな機会でこの建築堂を出展しているので、北大祭でも良い使い方ができてよかった。お客さんにも好印象で、たくさんの人に楽しんでもらえた。」と充足感をにじませた。

(取材・執筆・撮影:品村)