北大祭のお片付け~北大鯨類研究会札幌支部編~

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高等教育推進機構のE204教室、普段は授業が行われているこの場所は鯨類に関心を持つ人々で賑わっていた。北大鯨類研究会札幌支部(以下、鯨研)の展示は子供から大人に至るまで大人気だ。

展示されたカマイルカの骨格標本、幅広い層に人気だった(6日、撮影:安藤)

今年の北大祭での出展は、例年行われている骨格標本の展示と、ネズミイルカなど鯨類の等身大イラストを掲示する背比べに加え、今年から新たにジオラマやポスター、動画にも力を入れ、昨年よりもさらにボリュームアップした形で行われた。

「今までの鯨類のフィールドワークで自分が見てきた景色を、来てくれたお客さんにも見てほしい」と語った代表の西山遥さん(水産学部2年)。今年は鯨類に関する研究の成果を報告するポスターに力を入れたという。「北海道には漁業で成り立っている町も多く、水族館ではかわいいとされているシャチも、漁で生計を立てている人々にとっては害獣に変わりない。シャチによる漁業被害の解決に取り組む研究者たちの研究成果を知ってほしいという思いで制作した」と語った。

研究成果をまとめたポスター(6日、撮影:安藤)

9日PM15:00

北大祭最終日の9日午後3時、高等教育推進機構の展示終了と同時に片付けが始まる。骨格標本は紙にくるんで獣医学部棟のロッカーへ。来年度までに緩衝材などを新調し、保存環境を整備する考えだという。紙粘土で作られたジオラマなど壊れやすいものは処分し、鯨類の等身大イラストなど来年度の展示でも使用するものは保存する方針だ。

片付けを行う鯨研(9日、撮影:安藤)

背比べや骨格標本で子供の心をつかんだだけでなく、研究紹介のポスターで学生や社会人の関心も集めた今年の鯨研の展示。普段の生活の中では体験できない海生生物との関わりの体験を目指した展示は大成功を納め、教室はまた授業の風景に戻っていった。

鯨研の展示場所であるE204教室 北大祭翌日にも授業が行われた(11日、撮影:安藤)

(取材・執筆・撮影:安藤)