「旅は恩返し」水産3年のともおさんがアフリカ一周に挑戦

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アフリカを一周するともおさん(提供:ともおさん)

水産学部3年の髙澤共生(ともお)さんが6月から約1年間のアフリカ一周に挑戦する。九州0円一周やインド一周など、数々の旅を繰り返してきたともおさん。今回はクラウドファンディングによって、一人ではなく「旅を支えてくれる『あなた』と旅をする」という。旅をするのは、物心がついた時から憧れていたアフリカだ。

    

幼少期からアフリカに憧れ

アフリカには物心がつく前から、強い憧れがあったという。アフリカの民族、動物、音楽、景色など色々なものに魅力を感じていた。彼の髪型がいつもアフロなのはそのためだ。彼はドラムをやっているが、それはボンゴやジャンベなどのアフリカの太鼓が好きだからだと語る。

    

きっかけはYouTuberだった

ただ彼は最初からアフリカ一周をしようと考えていたわけではなかった。高校生の時までは、青年海外協力隊などの制度を利用し一国を訪問しようと考えていたという。

実際に休学をして一周しようと思うに至ったきっかけは、高3の時に見た「ジョーブログ」というYouTuberの投稿だった。

ジョーブログは予算なし・ガイドなしでアフリカを縦断するという非常に挑戦的な旅をしていた。アフリカの旅といえばガイドをつけるイメージがあるが、ガイドをつけると費用が莫大になる。これならお金のない自分でもできるかもと感じたともおさんは、大学生になってからアフリカ一周旅行をしようと決意した。

    

アフリカに行く準備に捧げた4年間

ともおさんの旅の遍歴(図作成:高野)

     

ともおさんの大学4年間はアフリカ一周のすべてに捧げられた。アフリカ旅行に必要なスキルを磨くため、ともおさんは可能な限りあらゆる場所で挑戦的な旅をした。

大学1年目はコロナ禍で渡航が制限されたため、サークルや恵迪寮の活動等に励んだが、2年目には休学して北海道を青春18切符で一周したり、九州0円旅や沖縄歩き旅、四国自転車旅などを行った。

北海道18切符旅ではテントすら使わない生身での野宿をして野宿への自信がついた。九州0円旅では、知り合いの知り合いやヒッチハイクで乗せてくれた人など様々な人に泊めてもらった。着替えすらなくスマホ一つで手ぶらで始めた旅だったが、洗濯から食事や飲み物に至るまで出会った人達に助けられた。その結果、人との出会いやつながりの大切さを感じるようになった。

3年目には、ついにともおさんは海外に飛び出した。寮の後輩とインド一周を行い海外旅に慣れるための最終調整を行った。

ガンジス川で後方宙返りを行うともおさん(提供:ともおさん)

    

そして、3年目の最後に出た株式会社TABIPPOの「世界一周の夢を叶えるコンテスト」が、ただアフリカに行きたかった彼に新しい旅の意味を与えたという。

世界一周コンテスト優勝時のともおさん(提供:ともおさん)

     

旅を通じて「ワクワク」を与える

世界一周コンテストでは、彼は今までの旅の遍歴を語った。このコンテストを通じて、自分の体験が聴衆をワクワクさせ、勇気を与えていることに気づいた。

かつてジョーブログの影響で旅を始めた自分が、今度は他人に影響を与える側に。旅で泊めてもらうなど恩を受けた相手にも、感動や人生の選択肢を与えることによって恩返しをしたい。こうした意義を見出すようになった。

「恩返し」を意識してから、4年目には自分を成長させてくれた恵迪寮にも何か残したい。講演会などを通じて寮生の視野を広げる「開識社」を立ち上げた(開識社の詳細に関しては次の記事を参照→『クラーク博士創設の討論会、約70年ぶりに恵迪寮で復活』)。

そしてずっと待ち焦がれてきた今回のアフリカ旅でクラウドファンディングを始めたのは、「恩返し」をしたいためだ。クラウドファンディングは出資者に資金援助の返礼として、恩返しをするサービスだ。「Fun-bitious」(Fun+Ambitiousをかけ合わせた言葉)をキーワードに、共感してくれる仲間を増やしている。BeReal.(毎日1回ランダムなタイミングに写真撮影をして共有するSNS)などを通じて、支援者と一緒に旅をする特典が用意されている。

       

どのようにアフリカを旅するのか

アフリカを回るルートは、以下の地図の通りだ。

まずエチオピアから東アフリカを南下して、南アフリカをめざす。アフリカ南部の国々はビザが不要な国が多いという。南アフリカからは大西洋岸沿いに北上をし、最後にエジプトに行き終わりだ。このルートを約1年かけて回り、2025年春に日本に帰って来る予定である。

アフリカ一周のルート(作成:小田 写真はイメージであり、実際のルートとは異なる可能性がある)

                 

なお、安全上の観点から紛争地域などは避けるというので安心してほしい。また、柔軟にルートを変更すると語る。

また、今回の旅は一人ではなく恵迪寮で出会った紺藤伊吹さん(経済学部3年)とともに行う。伊吹さんは大学1年生の春にTOEIC820点を取るなど英語力が非常に高く、また寮で「侍」と呼ばれるようにフィジカル的な強さもあるという。

写真左がともおさん、右が伊吹さん(提供:ともおさん)

                 

「恩返し」の意義も加わった、ともおさんのアフリカ旅はきっと「Fun-bitious」なものになるだろう。ともおさんの旅が安全かつ実りのあるものにあるものになることを願っている。

今後北大新聞でも連載を企画しているので、お楽しみに。

旅行中にYouTube「開拓使ともお」チャンネルや、Instagramなどでの発信も行うそうだ。

また、彼のクラウドファンディングは27日(月)に終わる予定だ。興味ある人は、このリンクから支援することができる。

(取材・執筆・図作成:小田 図作成:高野 写真提供:ともおさん)