【解説】北大前総長の解任取消訴訟、いったい何が争われたのか
争点は、非違行為の存在と解任手続の正当性
今回の争点は、大きく以下2つだ。
争点① 非違行為はあったのか
総長選考会議は、名和氏による職員への過度な叱責などのパワハラ行為を認定。机を叩いて大声で罵倒することもあったと結論づけた。
しかし、名和氏側は訴状でこうした行為を否定した。総長選考会議の調査について、証拠として提出された名和氏と職員との会話音声の反訳書(書きおこし)には事実だと断定できないコメント(名和氏の表情についての記述など)が複数挿入された点を指摘。その上で、総長選考会議の調査ではこうしたものが参考にされ事実認定が歪められている、と批判した。
これに対して、本学・国側は事実認定に誤りはないと主張。最終陳述調書では、訴状と法廷における名和氏の証言との間で主張する事実関係に一部矛盾があることも指摘した。