学生記者VS北大入試、代表が現代文に大苦戦…?【2024年度国語第1問】
第1問(3)
引き続き、2ページ目の残りを読んでいきます。ゾンビは「置き去られた「身体」そのものに近い」ってきた直後にゾンビは「身体である」ってきた(「」つき「身体」の話から「」なし身体の話に変わりました)かと思ったらわかるようでわからない注が連発されて読みにくいですが、我慢我慢。試験会場で解いてたら100%飛ばしますよ、こんなとこ。
こっちでもゾンビの身体と僕らの身体が似てるって言いたいのはパッと見わかるけど、お次はどこがゾンビっぽいんでしょう。レポートの締切前日に徹夜しちゃった僕の顔色が悪くなってるからゾンビっぽい、って話ではなさそう。がんばって話をかみ砕くと、ゾンビの肩には妙に「肉」としてリアリティがある(=「身体」、さっき確認した通り)けど実際に存在してはいない(=「虚構」、映画やゲームの想像の中で存在する「情報」ですね)「二重の性質」があって、その「二重」な感じが物理的に存在してるけどときどき勝手に僕らの頭で無視されるバッキバキな肩と重なる、っていう類比です。フィクションの中のゾンビは多分臭いけど、でも例えばスマホでゾンビゲームをやり終えてスマホから死臭が漂ったりはしないですよね。似たように、ゲームに熱中する僕らの目だって多分疲れてるけど、でもスマホの画面に夢中な時に目が痛くなったりはしません。臭いけど、臭くない。痛いけど、痛くない。多分肩もこるだろうけどこってない、という点においては没入中のゾンビの肩も同時進行で忘れられてるバッキバキな肩も確かにかなり似ています。
3ページ1〜7行目、ちょっと議論が変わってきました。ここまでなんだかゾンビの肩だのバッキバキな肩だのと色々出てきましたが、じゃあ実際僕らの身体ってどこなのさって考えた時に僕らの頭にとっての「身体」は実はバッキバキな肩だけじゃないかもしれないって議論です。使いたい言葉の解釈は先に固めてよ、って叫びたくなるけど読解の問題文って切り抜きだからしょうがない(問題文を抜き出す前の元の本では多分冒頭で定義を固めてるんでしょう)。ここまで文章に書かれまくってた「身体」とは何を指すのか、やっとここで正しい理解が見えてきました。さっきから僕は「バッキバキな肩」って連呼してますが、(2)の答案に「本物の身体」「身体そのもの」とか書いたら一発アウトでしたね。本文によれば、僕らは実は頭の中で「シミュレーションのように再現」した「ボディ・イメージ」によって自分の身体を自分の身体だと意識しているとのこと。「こらない肩」も「本物の身体」になっちゃう、ってことですな。そして、同時進行で一時的に頭の中から消えちゃうバッキバキな肩は、逆に…?
おっとここで傍線部登場、設問見ます。「『ボディ・イメージ』が脳の中で変化している」ってどういうことでしょう、って聞かれてますね。「ボディ・イメージ」はさっき見た通りなので(要するに「『こらない肩』まで『本物の身体』としてとらえる身体イメージ」のことです)、このイメージが「変化している」ってのはどういうことか傍線部の後の部分からつかんでいきます(ボディ・イメージの定義をつかめば「脳の中」以外でボディ・イメージが変わるわけはないとわかるので、ここは無視)。