学生記者VS北大入試、代表が現代文に大苦戦…?【2024年度国語第1問】
第1問(5)
ということで、設問と解答の材料を改めて確認しますか。ゾンビ作品がはやってる理由について筆者はどう思ってるか教えて、ってのが設問でした。で、ポイントは①ミラーニューロンの力もあって僕らは知らない間にゾンビの肩まで「僕らの身体」だとみなすようになって②-①ゾンビの肩とバッキバキな肩は物理的にありそうでなさそうな部分が似ているから②-②没入してゾンビの肩が「僕らの身体」扱いになる時間と没入が解けてバッキバキな肩が「僕らの身体」扱いになる時間を自然に繰り返すことができるようになる(だからゾンビが流行ってる)、ってあたりですね。ここに限った話じゃないですが言葉遣いがだいぶ雑なので(今さら?)、120字以内でちゃんと伝わる表現に直して完成。
解答案:私たちの脳は無意識にゾンビを自己の身体とみなしており、同時に観念上で物質的かつ不快な現実感をもちつつも現実に存在しないゾンビは不快感とともに現実に存在しつつも観念上で忘却される生身の身体に似ているため、ゾンビ作品には断続的に没入できるから。(120字)
ミラーニューロンのくだりはちょっと説明が雑になったけど、まあ前の問題で説明したんだから許してください。往復する「虚構/現実」が具体的に何を示すのかは若干微妙なところですが、ゾンビが臭いイメージと実際に臭いがしないこととを繰り返すことが「魅力」だと主張するのはさすがに無理があるのでは。ドッと疲れが出てくる「不快感」とゾンビ作品流行の因果関係も具体的には書かれてないので、ここを絡めて合理的に説明するならまあ集中が切れたり集中し直したりっていう今回の解釈くらいしかないんじゃないでしょうか。