「ノリ」も企画の大事なテーマ 恵迪寮祭 

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第115回恵迪寮祭一般公開

今年で115回目を数える恵迪寮祭が秋晴れの中、10月28・29日に一般公開された。恵迪寮祭の定番と言えば、寮生らによる本格的な演劇「座(恵迪座)」などがある。一方、今回はこれまであまり注目されてこなかったが、恵迪寮の独自性が大いにあらわれる企画、「部屋デコ」について集中的に取材した。恵迪寮がある意味で「ノリ」の力によって一丸となって準備を重ねて作り上げた恵迪寮祭に2日間密着し、その魅力に迫った。

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恵迪寮入り口の受付。怪しげな「昭和レトロ」の雰囲気が漂う

恵迪寮祭の一般公開

寮祭の一般公開は、毎年10月最後の週末に行われる。寮内では10月を通して寮祭が開かれており、寮外の人々も加わる一般公開は祭のクライマックスだ。寮生らは約3週間をかけて一般公開に向けて準備に励む。近年は北13条通りで行われる金葉祭と開催時期に合わせて公開すると、第115回恵迪寮祭実行委員長の浅井悠人さんは話す。「金葉祭の前に立ち寄ってくれる効果を少し期待しています」と話した。初日の28日には200人を超える参加者が訪れた。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの一般公開となった去年よりも多い人数の訪問に実行委員長の浅井さんはじめ、恵迪寮関係者らが胸を躍らせていた。

恵迪寮の正面玄関の玄関デコレーション。今回のテーマは「昭和レトロ」

恵迪寮は関わりづらい?

日本三大自治寮の一つであり、長い歴史を持つ恵迪寮は、多くの北大生にとって特別な存在だ。一方で、恵迪寮のイメージについて、「(建物の周囲が)鬱蒼としていて雑然としてる」、「寮生のノリや独特な雰囲気が何だか怖い」など、「よく分からないが関わりづらい」と思われているのが現状だ。実際に今回の一般公開を前に北部食堂前で寮生らが宣伝を行い、多くの人の関心を引いていたが、恵迪寮生と分かるやいなや関わるまいとその場を避けるように過ぎ去る人も多かった。

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恵迪寮の玄関。玄関だけでなく、階段や廊下にも無数の落書きや貼り紙が散らばっている

「部屋デコ」にキティちゃん? 猫に餌付け!

サンリオカフェの皆さん

多くの貼り紙や落書きのあふれる恵迪寮の廊下を進むと、寮内の有志の部屋が「部屋デコ」と呼ばれる室内企画を行っている。「部屋デコ」の内容は2日間で異なり、10月28日には10企画、29日には12企画が催されていた。

28日、B棟3階内側(恵迪寮では建物の構造上、各棟の中心部の共用棟に近い側を内側、離れている側を外側と呼ぶ)では「サンリオカフェ」が開店していた。サンリオキャラクターで装飾された室内ではキャラクターに扮する3人が客とミニゲームをした後、ドリンクにアイスクリームなどのトッピングサービスを行っていた。他にも有名なサンリオキャラのポップコーン製造機の中では実際にコスプレをした寮生がポップコーンを振舞ってくれた。まるで本物のキャラクター達のように甲高い声で接客し、そういった言葉遣いをはじめ、寮生らの振る舞いはまさしくサンリオキャラクターそのものであり、独特の世界観を演出していた。