エルムの杜から旅立ち 卒業生ら4489人 ―2022年度卒業式
2022年度の学士、修士、専門職学位、博士学位記授与式(卒業式)が3月23・24日に行われ、12学部と現代日本学プログラム課程の学部生2531人、大学院生ら1958人がエルムの杜から旅立った。
2021年度に引き続き新型コロナウイルス感染防止のため、会場への入場を卒業生のみに制限。保護者らは中継映像で式を見守った。一方、今回は式場でのマスクの着用は任意となった。
札幌キャンパスの第一体育館では23日、水産学部を除く11学部と現代日本学プログラム過程の卒業式が2部制で行われ、2330人がキャンパスを巣立った。
宝金清博総長は告示で自身の学生時代を振り返り、本学の多様性を強調。歴史の上でも本学は「アイヌの人々が長い歴史を重ねてきた非常に豊かな土地にある」とし「(本学が)多様性や包摂性に対する理解を深める場所でありたい」と話した。
コロナ禍の学生生活についても言及。「(入学時に)約束した修学環境を十分に提供できなかった」としながらも「(デジタル化された学びやオンラインによる順応力など、)平穏な時代には得られない力強い能力を得ることができた」との見方も示した。
また、スティーブ・ジョブズ、クラーク博士など先人の例を挙げ「卒業後も学びを続けてほしい」と卒業生らを激励した。
同日には、本学の第二体育館で修士・専門職学位・博士学位記授与式が行われ、修士1467人、専門職70人、博士304人の計1841人がキャンパスを巣立った(水産科学院を除く)。
また函館では、同月24日に学士・修士・博士学位記授与式が行われ、水産学部201人、水産科学院修士106人、同博士11人が函館キャンパスを巣立った。大学院水産科学研究院長・都木靖彰教授は「一人一人が学んだこと・経験したことを、貴重な財産として自身の中でさらに大きく育て、他に類を見ない独創性を持った人間として今後活躍されることを祈念している」と卒業生を激励した。
卒業生の声
文学部を卒業した小森双葉さんは、マンドリンサークルでの活動が楽しかったといい、22年12月に開催された定期演奏会を振り返った。卒業後は大学院に進学して西洋史学を学ぶといい、「卒業論文より良いものを書けるように頑張りたい」と意気込んだ。
法学部を3年で早期卒業した山下智史(さとし)さんは、剣道部に所属しながら勉強にも熱心に取り組んだ。4月からは本学の法科大学院に進学し、弁護士を目指す。今後は「司法試験に1回で合格できるよう頑張っていきたい」と話した。
農学部を卒業した笹野香和(こうわ)さんは、「大学1年生のとき、テニスサークルでの活動を頑張った」と話す。2・3年生の間はコロナのため家で過ごす日々が続いたが、4年生で研究室に入ると、毎日実験をしたり友達と話したりするようになった。卒業後はワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアに行くという。
医学部を卒業した渡邉佐(たすく)さんは、6年間勉強を頑張ったという。医学部では必修の授業が多くあるが、一度も再試にかかることなく卒業を迎えた。卒業後は函館市の病院で初期研修を行う。「患者さんとのかかわり方や治療方針の立て方を頑張って勉強していきたい」と話した。
(記事執筆:松山)