北大生が作ったミュージアムグッズ 博物館ショップで販売中

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ミュージアムショップに並ぶ学生企画グッズ(8月23日、本学総合博物館)

本学総合博物館1階にあるミュージアムショップ「ぽとろ」で本学の学生が企画・開発したミュージアムグッズが売られている。ミュージアムマイスター認定コースの一環として10年以上前から制作が始まり、現在ではトートバッグや缶バッジ、クリアカードなど20点以上が並ぶ。7月からは新たに風呂敷とシールの2点の販売を開始した。

元々は授業内のプロジェクトとして始まったグッズ開発だったが、2012年からは大学院生向けの授業として行われるようになった。同授業「博物館コミュニケーション特論 ミュージアムグッズの開発と評価」では受講生がグループで協力しながらグッズの発案から制作、PRまでを行う。

指導している総合博物館の湯浅万紀子教授は、ミュージアムグッズについて「博物館を離れた後も博物館での時間や体験を思い出してもらえるようなもの」と話す。グッズには博物館の展示物などがデザインされ、専門教員の指導のもとで受講生が制作したモチーフの解説シートがついている。また、グッズは一定の売り上げを確保する必要がある。授業ではショップ関係者に意見を聞いたり、過去のグッズの分析や市場調査を行ったりするなどニーズを調べ、価格や製造業者まで学生自身が考える。

7月には新たに「ゾウ&マンモス風呂敷」、「発掘!ランダムシール 古生物&土器」の販売を開始。2021年度に受講した大学院生7人が制作した。

広げた「ゾウ&マンモス風呂敷」。風呂敷にした理由は「マンモスやゾウの臼歯を原寸大で描けて、既存のグッズと被らない」からだという。税込み5500円

「ゾウ&マンモス風呂敷」は博物館2階に展示されているマンモスの原寸大模型などをモチーフにした。1メートル四方の大きな風呂敷には、マンモス・インドゾウの姿と原寸大の臼歯が描かれている。黒地にピンクと緑の鮮やかな色合いも特徴だ。かばんに入らない大きな荷物も包むことができるほか、水をはじく素材を使用しているため、災害時にはバケツ代わりにもなるという。

「発掘!ランダムシール 古生物&土器」。シールが入った紙箱にはモチーフとなった古生物と土器の解説が書かれている。1回税込み100円

「発掘!ランダムシール 古生物&土器」は、博物館3階に展示されている古生物の骨格標本や、博物館と埋蔵文化財調査センターにある土器をデザインしたフレークシール。全24種類で、1箱3枚入り。くじ引き形式で「博物館タンブラー」がもらえる当たりも入っているため、ランダムに入っている中身を楽しみに購入できる仕組みだ。子どもでも買いやすいよう価格は100円に抑えた。何度も売り切れになるほど人気だという。

受講した森本智郎さん(理学院修士2年)は「コストを計算して製造業者を選んだり解説シートを書いたりするなど、想像よりも大変だったが、7人で分担して進められた」と話した。学術的な深さ・正確さと実用性を保証しながら、博物館を訪れた思い出を振り返ることのできるグッズになるよう心掛けたという。学生企画ミュージアムグッズは「ぽとろ」オンラインショップでも購入できる。