第1回北海道ワインシンポシオン開催 北海道ワインの可能性、話し合われる
第1回北海道ワインシンポシオンが2月15日、16日に本学のフード&メディカル国際拠点で開催され、同時にオンラインでも配信された。多くの大学教授や研究者、ブドウ栽培農家に加えて大学生も参加し、北海道産ワインの発展や未来に関して熱い討論が交わされた。
シンポシオンでは、「北海道のワイン研究の現状」と題し、北海道のワイン産業の展望をはじめ、ワイン用ブドウに最適な土壌や病害についてなど多角的な視点から話し合われた。本学農学研究院の曽根輝夫教授(ワインのヌーヴェルヴァーグ研究室所属)は、北海道はまだワイン産地としては途上段階にあるとしたうえで「真のワイン産地になるには大学と産地の連携が必要」と本学の役割を強調した。またヌーヴェルヴァーグ研究室を土台として2023年に北海道ワイン教育研究センターを旧昆虫学及養蚕学教室内に設置する予定であるという。
ワイン用ブドウの病気やワインツーリズムについての講演も
川口章氏(農研機構、西日本農業研究センター)は自身のワイン用ブドウの根頭がんしゅ症の予防に関する研究成果について講演し、会場のみならずオンライン参加者からも多くの質問が寄せられた。また三浦夕佳(ゆか)さん(本学国際広報メディア・観光学院)は、近年ワインツーリズムが盛んになっていることを踏まえ、観光協会がワインツーリズムをする際にコーディネーターを派遣するなど農家に負担のないように支援する取り組みの検討が必要であると話した。
※「シンポシオン」とはギリシャ語で「ともに飲む」という意味の言葉であり、古代ギリシャにおいてワインを楽しみながら語り合うことを指している。曽根教授は「今回が契機となり、北海道各地で本当の『シンポシオン』が盛んに開催され、北海道ワインの将来をみんなで考えることが、近い将来実現されることを期待している」と話す。