ICReDDが独立の新研究棟を建設 ―分野融合型研究の進展に期待
本学化学反応創成研究拠点(ICReDD)の新棟建設が北キャンパス第2農場の一画で進められている。延床面積5510平方メートルの4階建てで、2023年2月28日に完成する予定。従来は創成科学研究棟の一部を利用していたICReDDにとって、初めての独立の建物となる。
ICReDDは文部科学省が実施する世界トップレベル研究拠点プログラム(World Premier International、略称WPI)の一環として設立された研究拠点だ。計算科学、情報科学、実験科学の3分野を融合させることにより、化学反応をより深く理解し効率的に開発することを目指している。21年のノーベル化学賞を受賞した、リスト・ベンジャミン特任教授も研究を行っている。
今回の建設目的は、WPIが求める「第一線の研究者が世界から多数集まってくるような、優れた研究環境と極めて高い研究水準」の達成。建設はICReDDが設立された18年から検討されており、20年12月に令和3年度国立大学法人等施設整備実施計画協議予定事業として本格的な設計が始まった。
新棟は異分野の研究者が共に活動するアンダーワンルーフ型の研究施設として設計されている。ICReDDの広報担当によると「研究者が日常的に共に活動できる環境で、より密な連携が可能になり、拠点が目指す分野融合型研究が飛躍的に推進されアクティビティの高い研究施設となることが期待される」という。
また、新棟には最先端の研究設備が設置される。中でも、一般的な有機合成などを自動的に並行して行える自動合成・反応システム「ISYNTH REACTSCREEN」は、化学反応条件の最適化や新たな分子変換反応の開発を加速させることが期待されている。国内でこの設備が複数設置されるのは非常に稀だという。