完全リサイクル可能なコンクリート、世界で初めて開発 北大、東大などの研究グループ
本学や東京大学などの研究グループは廃コンクリートや二酸化炭素を原料とするコンクリート、カルシウムカーボネートコンクリート(CCC)の開発に世界で初めて成功したと4月19日発表した。このコンクリートは完全リサイクル可能であり、環境問題の解決に貢献することが期待される。
従来のコンクリートは石灰石からセメントを作り、それを水と混ぜて固め骨材を入れて作られる。一方、CCCは廃コンクリートからカルシウムイオンを取り出し、それを大気中の二酸化炭素と反応させ炭酸カルシウムとし、廃コンクリートのつなぎとすることで生成される。
CCCの最大の特徴は原料だ。従来のコンクリートは有限な石灰石を使用するが、CCCは一般的に産業廃棄物として処理される廃コンクリートと二酸化炭素を原料としているため資源の消費を抑えられる。大気中の二酸化炭素を利用することから温室効果ガスの削減も見込む。また、使われなくなったCCCはリサイクルして新しいCCCとすることも可能だ。
このプロジェクトは本学や東京大学、清水建設などが共同で進めているもの。今回試作されたCCCは十円玉ほどの大きさで、強度も建築資材として実用可能なレベルには至っていない。研究グループは2030年をめどに実用化を目指している。