北大の内部統制に「重大な改善事項」指摘 総長解任で —国立大評価委
文部科学省の国立大学法人評価委員会は2019年度の本学の業務実績に対する評価で、総長解任があった本学では内部統制などの課題に根本的な改善が必要だとして「重大な改善事項がある」と明記した。23日の会議で審議し、確定した。同年度で重大な改善事項が指摘されたのは80以上ある全て国立大で本学のみ。
本学では18年12月から名和豊春前総長が休職し、20年6月には不適切な行為を理由に解任された。この間、総長は不在だった。
国立大学法人評価委は、評価対象の4項目のうち「業務運営の改善・効率化」で、6段階のうち最低の「重大な改善事項がある」と評価を付けた。組織体制や内部統制に課題があったとし、総長選考についてのガバナンスや総長のマネジメントに対する不信を招いたと指摘。「北海道大学の社会的信頼を著しく傷つける事態になった」とも記した。社会からの信頼回復に向け全学一丸で取り組むことが強く求められるとした。
一方、ほか3つの項目は3番目に良い「順調」以上だった。廃棄物排出量の削減に向けた一般ごみの圧縮事業が注目されるなどとして、「その他業務運営」の項目では上から2番目の「一定の注目事項」との評価だった。
評価では中期計画(16~21年度)の達成に向けた進捗状況をみる。全体の評価としては、目標である総長のリーダーシップの下での大学運営の観点から、「法人の基本的な目標に沿って計画的な法人運営が行われているとは認められない」とした。