北大、部活など再び制限強化 担当者「厳しい判断」必要 —新型コロナ
新型コロナウイルスの感染が再拡大し、本学の教育や研究、学生の部活動などの制限が再び強まっている。本学は全学共通の行動指針(BCP)のレベルを引き上げ、年度内は3番目に制限が強いレベル2を維持するとの方針を示した。新型コロナに対する大学の対応はまだ模索が続いている。
「感染が広がるともっと強い制限になるので、厳しい判断をしないといけない」。本学の新型コロナ対応担当者はこう苦悩をにじませた。本学は11月18日、BCPをレベル2に引き上げ、学内での研究活動を短時間に限ったり、学生の部活動を個人練習など以外は制限したりした。レベル2は7月上旬以来。
引き上げの背景には学内の感染確認の増加がある。本学では10月は12人、11月前半は10人と感染ペースが上がっていた。
ただ11月9日時点では「レベル1を維持する」としていた。担当者は「件数が増えてきたなとは見ていたが、一つのポイントだけでは(判断が)難しい」と説明。16日の会議で「明らかに増えていると判断した」という。もう一つの判断基準である北海道の対応については17日、道独自の警戒ステージが札幌市を対象に4相当となり、引き上げはこれも踏まえた。
夏の感染拡大時と異なり、学内の感染状況に本学は頭を悩ませる。担当者は「夏は北大の感染者はもっと少なかったので、(大学の対応が)北海道の動きと連動できた。今は学内の感染者が結構出ているので、それがどう動くのか読めない」と話す。
本学の対応は模索が続くが、新型コロナに対する知見が蓄積され、大学の活動との両立の面で工夫もみられる。例えば夏の感染拡大時は授業について原則、オンラインを継続していたが、今回はオンラインを中心にする一方、感染対策が十分できるものは対面での実施を可能とした。「感染防止対策の効果やこれまでの実績から、必ずしも前回と同じレベルの制限を加えなくてもできるものがあると見えてきた」(担当者)といい、レベル2下の運用を練り直した。図書館も前回のレベル2では休館していたが、現在は開館を続けている。
本学の新型コロナ対応で全体の方針を決めるのは「新型コロナ感染症対策本部」だ。本部長は宝金清博総長で、理事や事務局の各部長、病院長のほか、学内の有識者ら計19人で構成。レベルの見直しにあたっては道内の感染状況や、政府の分科会の動きなども見て総合的に考えているという。
本学はレベル2を今年度中は原則維持するとの方針を明らかにしている。急なレベルの切り替えで事前の準備や対応ができず各学部などが苦慮していたことから、方向性を示した。1月12日の会議ではこの方針を再確認するとしている。
足元では11月後半に11人、12月前半は6人の感染を確認。本学構成員の感染確認の累計は49人になった。