学生の「つながれる場所」に ―コロナ下の学生相談総合センター
長引く新型コロナウイルスの流行で学生にはストレスがかかり続け、新たな悩みも生まれている。そのような学生を支えるため、学生相談総合センターは継続的な支援を行っている。
学生相談室と留学生相談室は、「WebEx」などのオンライン会議システムを用いた相談を継続していくとする。相談者のインターネット環境や意向を考慮し、感染対策を徹底して対面で相談を受ける場合もある。加えて、学生相談室では、今後メールでの相談も可能になるよう準備中だ。
留学生と日本人の先輩などが問い合わせに対応し、必要に応じて相談室を案内する留学生サポート・デスクでは、常時日本語と英語での問い合わせが可能で、日替わりでその他の言語にも応じる。障害のある学生などを支援するアクセシビリティ支援室は、オンライン会議システムによる相談と対面相談の両方を行う。
学生相談室など各相談室は、ホームページなどで学生に役立つ情報を発信している。留学生相談室は、新たに日本へ来た留学生が自己隔離期間にストレスを緩和するために役立つ情報を提供した。学生相談室は、学生の同意の上で同センターに寄せられたコロナ下の学生の困難、悩みなどを集約し発信。そうした学生の声が後期授業などに生かされ、同相談室は「全学の横断的な声が集まるセンター機能を学生のために役立てたい」と話す。
学生相談室は「相談するなど自分の困り事を人に伝えサポートを受けた学生は、比較的早期に生活を立直せる傾向にある」と分析する。一方で困難な状況から抜け出せない学生と接触し、支援することを喫緊の課題だと捉えているという。年度末が近づき卒業、修了、就職、進級などの区切りが迫ることに伴うネガティブな感情も懸念する。
留学生相談室は、依然として新たな交流がしにくく人間関係構築が難しいと指摘。ストレス要因として、通常の学習や友人との交流が行えないこと、出入国制限や経済的状況などを挙げた。長期にわたるストレスで「より深刻な心理的状態に追い込まれている学生がいる」と語る。新規渡日後の留学生の状況も心配しているという。
安達潤センター長は、「センターが『つながれる場所』の一つとしてありたいと願っている」と語る。各相談室は、カウンセリングは自分を上手に助けることに繋がるとし、「安心安全な空間でカウンセラーと考えましょう」と積極的な利用を呼び掛けている。
相談予約方法の詳細、コロナ流行による心理的影響や心掛けるべきことなど最新情報はhttps://www.sacc.hokudai.ac.jp/news/「お知らせ・イベント情報」に掲載されている。