北大までをも売り込む?編集部の「コンテンツビジネス」最前線【インスタント説明会・Vol.12】
皆さまこんにちは、編集部TSです。今回は編集部のいわゆる「コンテンツビジネス」についてご紹介します。コンテンツビジネス自体の一般的な説明としては、文章や画像・映像などのコンテンツを使って収益を生み出すことといったものになるでしょう。編集部では広告料収入だけで維持を図るという発想から離れ、制作・発信するコンテンツに対して代金をいただいて運営基盤を作ることにも取り組み始めています。取材の内外を問わず集めた素材や過去に発信した記事などを貴重な財産と捉え、今後の運営のために活用しています。
見えてきた新たな資金調達の可能性と課題 ―2020年カレンダー製作
2019年後半には2020年カレンダー「北大生が贈る季節の十二枚」を独自に企画・製作し販売しました(ご購入いただいた方には厚く御礼申し上げます)。編集部メンバーが撮影した北大構内の画像を用いた卓上カレンダーの企画構想が編集部内から持ち上がり、初めての取り組みながらも完成に漕ぎつけ、学内や札幌駅周辺の店舗での販売と通販を行いました。普段はネットを主なフィールドにしている私たちにとって実物を作って販売すること自体新鮮な取り組みでしたが、販売交渉などを通じてコンテンツをお金にすることの可能性にも気づくことができました。
ただし今回のプロジェクトが必ずしも思い通りだったわけではありません。まず挙げられるのは需要予測の難しさです。製作する部数や店頭での販売部数を決める際には類似商品の過去の販売状況などを勘案しますが、実売部数が当初の見込みを大きく下回った事例がありました。事前の予想と反響が一致しないことがあるのは通常の情報発信にも同様のことが言えますが、カレンダーについては売れ行きが活動資金に影響を与えるリスクが伴い、翌年以降に在庫を持ち越すわけにもいきません。販売協力をいただいた書店の方から販売期間終了後に伺ったお話として、年によってカレンダーにも流行があることが分かりました。2020年カレンダーについては卓上よりも大型のものが支持を集めたようです。
また需要予測と同様に重要なのが販売戦略です。クオリティの高いものを作ることはもちろんのこと、話題性を伴わせたり従来品にはないプレミア感を演出したりすることも売れ行きに貢献します。商品のPR面に関しても大きな課題を突きつけられたと認識しています。幸いにして今回のカレンダー製作プロジェクトは収支がほぼ均衡し活動資金が圧迫される事態は免れました。しかしながら実物を作るにあたって相応のコストがかかるが故の難しさも実感させられ、今後の反省材料となりました(積極的にトライしたいとは考えていますが、2021年以降のカレンダー製作については現時点で決定していません)。
北大そのもののブランド価値向上にも貢献へ ―記事や画像の販売
カレンダーに代表されるグッズの企画販売とは異なり、過去(旧新聞会によるものを含む)に取材・発信した記事や画像そのものを商品として販売することもあります。北大新聞が発信した記事はある種の記録として参照されることもあり、書籍などに転載する場合には一定額をいただくことになっています。編集部発足後の2018年以降のデータについてはWEBサイト上で検索をかけていただくことでアクセスが可能ですが、それ以前の新聞会時代の記事などについては現状、図書館等で探していただくことしかできません。過去の記事や紙面データ等のデジタルアーカイブ化によって北大関係者の皆様の共通の財産としても活用が期待されることから、こうした取り組みへの検討も今後行われることと思います。
画像の販売についてもさらなる可能性があります。通常のニュースで用いる画像の転用希望が出てくることに加え、北大の美しい風景画像には常に一定の需要があると考えられます。カレンダー製作にも関係しますが、北大の風景を売り込む媒体としても編集部のWEBサイトが機能を果たす潜在的な可能性があると言えます。単なるニュースの発信に限らず、北大そのものの魅力を広くお届けできるようなメディアを構想していく力が今後はより一層求められてくることでしょう。
以上、今回はここまで北大新聞編集部のコンテンツビジネスについてご紹介しました。既に始まっているものもありますが、この分野は必然的に今後一層の工夫と取り組みが求められてくるものと思います。こうした取り組みは北大新聞のメディア全体の価値向上に有益であり、ひいては北大のイメージ向上への寄与も期待されます。トライアンドエラーを重ねながらこうした分野も巻き込みつつ、新しい時代の学生メディアとして歩みを確かにしていくことで自分たちの活動の意義も自ずと見えてくるのでしょう。
さて今回をもってこの「インスタント説明会」での実務面のご説明は一区切りとさせていただきます。新入生のみなさまへの説明会の実施も視野に入ってまいりましたので、次回以降は編集部の組織に着目した内容を発信していきたいと思います。引き続きご覧いただけると幸いです!それではまた来週お目にかかりましょう。