素材を生かすレシピづくり —割付作業【インスタント説明会・Vol.8】
編集部の活動を手軽に説明するインスタント説明会も8回目。今回はたたき終えた記事(たたき=7回目参照)や写真たちを紙面の形にまとめる「割付(わりつけ)」について編集部YSが説明したいと思います! 手始めにたとえ話を使って割付のイメージをお伝えします。
割付とは料理にたとえると「レシピ」になります。
生産者(記者)が作った素材(記事や写真、グラフなど)をいかに引き立たせ、お客さん(読者)に提供するか。地味ではあるものの大事な過程です。
まずは素材を確認。記事は一体、どれぐらいの長さがあるのか、写真やグラフはどういったものが用意されているのか。これらをどの鍋(紙面)に投入するかを決めたり、どの順番で使うのかを検討したりするところからレシピづくりが始まります。
ある程度見当が付いたら、実際に鍋(紙面)に投入してみます。ピッタリと鍋の容量を満たすとよいのですが、大抵の場合、あふれたり少なかったりします。そんな時は素材をみて「加工」する作業をします。
素材の良さを消さないように気を付けつつ、記事の重要でないところや写真を切るなどします。試行錯誤を重ねながら、その場その場で最適なレシピを作り上げるのです。
出来上がったレシピも急に大幅な変更を余儀なくされることもあります。より価値のある素材(ニュース)が現れると、苦渋の思いでもともとの素材を捨てたり、別の鍋に移したりします。
限られた鍋をよりよい素材でうめていく。それが割付という作業です。
ここから少し具体的に説明します。割付に必要な道具は4つ。鉛筆と消しゴム、紙、電卓です! まず電卓でその紙面に使う記事の長さを足し合わせた上で、記事以外の見出しや写真などに使えるスペースを算出。残りスペース(余白)がゼロになるように見出しや写真の大きさを考え、紙に配置を書いていきます。少し技術的ですが、記事は一行12文字が何行あるかで数えます。つまり割付においては「行」という単位で作業していくのです。
先ほど4つといいましたが、実は今は2つでやることもあります。パソコンと電卓です。新型コロナウイルスの影響からオンラインで割付をすることがあり、そんな時はこれらを使います。図のように。電卓はパソコンにもありますから究極的には1つの道具しか必要でないかもしれません。
以上、割付の過程を説明しました。あまり目立つ作業ではありませんが、創造力などが試される面白いものです。少しでも醍醐味が伝わっていれば幸いです!
次回は特集を説明します。お楽しみに!