動物園の役割語る 旭山動物園前園長・小菅正夫さん、本学で講演
本学卒業生で旭山動物園(旭川市)再建の立役者でもある小菅正夫さんの講演会が12日、本学クラーク会館で行われた。小菅さんは、動物園の社会的役割や将来の展望について力説。会場には約150人が集まった。
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小菅さんは、1973年に本学獣医学部を卒業後、旭山動物園に獣医師として就職。95年に同園園長に就任すると、動物の種ごとの特徴を見せる行動展示施設を開館させ、同園の月間入園者数を日本一に。現在は、札幌市環境局参与として円山動物園の担当をしている。
講演の中で小菅さんは、「動物園には、動物を研究し、それを子ども達への教育に結びつけ、動物を保護する責任がある」と述べた。また、「動物といることに幸福感を持ってもらい、自然を排除した空間で暮らす人々の人間性を回復させることは、動物園にしかできないこと」と、動物園に求められる役割について熱弁した。
小菅さんは今後の展望について「世界とつながる総合中核園としての円山動物園、行動展示に特化した行動専門園としての旭山動物園といったように、道内各動物園がそれぞれのカラーを生かし、北海道の魅力を全世界に広めて欲しい」と期待する。