医学部百年記念館が完成 ―工学院の大学院生がデザイン 会議、学会やコンサートにも
今年4月に100周年を迎えた医学部の記念事業として工事が進められていた「医学部百年記念館」がこのほど完成した。記念館は会議からコンサートまで幅広く利用できる。周囲の景観に溶け込むデザインには本学工学系の教員や大学院生らが大きく携わった。
北図書館の向かい側に建設された記念館は地上2階建てで、延べ床面積は約800平方メートル。吹き抜けのホールや大小2つの会議室などを有している。本学に寄贈され、医学部関係者以外でも会議や学会、コンサート、立食パーティーなどに利用できる多目的施設だ。4億5000万円ほどの建築費用の全額は卒業生や教員らからの寄付により賄われている。
記念館は医学部同窓生らの交流や新たな教育研究が行える場として2015年に建築が提案された。17年からは工学研究院建築都市空間デザイン部門の教員と研究室の大学院生がデザインを検討。先進性と伝統をコンセプトにし、木目を基調にしたデザインとした。デザインの際、東大寺南大門の大仏様(だいぶつよう)という建築様式からも着想を得たという。同窓生を迎え入れるというイメージから、木造の屋根は入口の方向に大きくせり出したものにした。また、地域に根差した建物にするため、道内で加工された木材を多く使い、北海道の家具店の木造家具も設置した。
記念館の落成式が8日行われ、本学総長職務代理や、北大病院長、医学部長らが出席。秋田弘俊病院長は「記念館が今後モニュメントとしてだけでなく北大医学部、北大全体の次の100年に向けての大きな基盤となることを祈念する」、設計に携わった工学研究院の小沢丈夫(たけお)教授は「キャンパスに馴染む、キャンパスの皆様に愛される建物になってほしい」と語った。