被災地農家とのトークイベントも 北大マルシェ2019開催
本学農学部前で「北大マルシェ」が17・18日の2日間、開催された。北大マルシェは毎年8月に行われる北海道の農や食に触れることのできるイベント。10回目となる今年は「Tell味&Show味~あした何食べる?~」のテーマのもと40以上のブースで食品の販売や展示などが行われた。2日目の18日は天候に恵まれ、会場には親子連れなど多くの人が集まった。
今回のテーマには、「おいしさの再発見」から食の見つめ直しにつなげてほしいという思いが込められている。そこで特に「味」に着目した企画を押し出した。そのうちの一つが、じゃがいもや牛乳の食べ飲み比べだ。安さなど単純な基準で選んでしまいがちな食材に対して、産地や製法・品種による味の違いを意識して感じてもらいたいという思いから企画したという。担当の農学院修士1年の柴戸怜(りょう)さんは、違いがあることに対して「生産者のこだわりを感じてほしい」と話した。
今回、北大マルシェでは昨年9月の胆振東部地震で被災した農家と、学生が対談するトークイベントも行われた。招かれたのは被害の大きかった厚真町でコメやシイタケなどを栽培している農家の堀田昌意(あつお)さん。イベントの中で、「(状況の深刻さに)大丈夫かな、と頭が真っ白になった時期もあった」「ボランティアの人たち、周りの人たちが動いているのを見ていると、やる気にさせられた」と地震直後の状況や心境を語った。また地震から立ち直りつつある今、これからの夢について「新しい事業をたくさん立てていきたい」と笑顔。堀田さんはこのほか、自身の農業の取り組みや厚真町について触れ、「何か考えていることを実現できる町」「夢を叶える場所」と魅力も紹介した。
このトークイベントの企画は、地震を北大マルシェで取り上げるにあたり、より現地の状況について実感が湧くように伝えたい、という思いから生まれたという。進行役を務めた農学院修士1年の橘史子さんは「楽しくお話ができて良かった。堀田さんの人柄が伝わったのでは」と感想を話し、来年以降について「(このような企画を)またやりたい。(雰囲気が)あたたかい場所にしたい」と思いを膨らませた。