英語プレゼンコンテスト入賞 原点は「とりあえずチャレンジすること」 ―山下藍子さん(経済学部3年)【キラリ!北大生 第1回】
世界各地から優れた学生が集う北海道大学。今回スタートする新連載企画「キラリ!北大生」では、各方面で活躍している本学在学生の生い立ちや今後の展望などを、「これまで」「これから」の時系列に沿って紹介していく。
今回取り上げるのは、昨年「第7回全国学生英語プレゼンテーションコンテスト」(神田外語グループ・読売新聞社主催、以下「プレゼンコンテスト」)で奨励賞を受賞し、日露学生フォーラムなど学生間の国際交流にも精力的に取り組んでいる山下藍子さん(経済学部3年)だ。
【これまで】「今を生きる」 バックパッカーの経験からプレゼンコンテスト出場へ
山下さんが英語を学び始めたのは中学生の時。帰国子女など海外にルーツを持っていたわけではなかったが、国境なき医師団に憧れて英語部に入部。英語そのものよりも英語の話し方やロジックの習得に力を注ぎ、中学では県2位、高校では全国大会出場の実績を残した。本学入学後は「限られた時間の中で今しかできないことをしたい」と、バックパッカーとしてこれまでアジア・ヨーロッパを中心に25カ国を訪問。意外にも、英語の成績は「北大生の平均くらい」だという。
昨年のプレゼンコンテスト出場のきっかけは旅先のミャンマーでの経験。前年の合同研修で知り合った他大学の学生との2人旅だった。帰国後、プレゼンコンテストのテーマの1つが「アジアの特産物を欧米に売り込め!」だと知り、ともに旅行した2人での出場を決意した。山下さんらが注目したのはミャンマーで流通しているタナカと呼ばれる木。現地では日焼け止めとして広く使われているが、原料を自前で加工するのが一般的で商品化はされていなかった。
本選出場が決まってからの1カ月間でアイデアを具体化。皮膚がんに関するデータの調査に始まり、実用化に向けての実証実験までこぎつけた。実験にあたっては本学薬学部・農学部の教員にも協力を仰いだ。10分間のプレゼンテーションを覚えたのは本選の2日前。質疑応答の準備が不十分だったとしつつも、上位10組に食い込んで奨励賞を受賞した。
【これから】目指すは国際機関 納得できるまで自分らしく生きる
将来は国際機関で働くことが目標だという山下さん。国際協力を通じて女性や子どもの権利を守ることに強い関心を持ち、「誰かを笑顔にしたり、苦しい人を救えたりする存在でありたい」と意気込む。今年9月からはスイスのジュネーブ大学への交換留学が決まっている。留学後にはケニア・ナイロビでインターンシップを計画中。現在は授業で外国人学生との議論やプレゼンテーションに磨きをかけるなど、準備に余念がない。
山下さんの行動力の源泉は「自分に勝ちたい」という思い。人生の有限さを高校生の時に感じ、「自分がやりたいことを明確にし、今、この自分が何を見て、何を行動するかが大事」との考えのもと世界を渡り歩いてきた。旅先でトラブルに巻き込まれるなど失敗も数多いという一方、チャレンジしてみることで得られる充実感が何よりの活力。「自分にはできないんじゃないか」で終わってしまうのはもったいないと、夢への挑戦に心を躍らせる。