子どもが夜遅く食べると虫歯になりやすいことを証明 ―本学教授らの研究チーム
本学歯学研究院の八若(やわか)保孝教授、北海道医療大学リハビリテーション科学部の西出真也講師らの研究グループは夜型の生活により小児が虫歯になるリスクが高まると発表した。これまでも夜型で乱れた生活習慣は肥満や不眠症などの健康障害につながるといわれてきたが、虫歯のリスクを証明できた研究はこれが初。規則正しい生活の大切さを喚起するにあたり、有効な根拠となりうる。この研究成果は台湾の学術誌「Journal of Dental Sciences」に4月4日、掲載された。
同研究では、まだ永久歯を持たない小児(2~7 歳)38人、乳歯が抜け永久歯が生え揃った小児(11~16歳)33人の生活習慣と虫歯の本数を調査し比較。前者では、就寝時刻、夕食をとる時刻が遅く、さらに夕食時刻にばらつきがある小児に虫歯が多いと分かった一方、後者で虫歯との関係が認められたのは、夕食時刻のばらつきのみだったという。この結果から、乳歯を持つ年少児ほど夜型の生活習慣によって虫歯になりやすいと考えられる。
同研究に携わった八若教授は虫歯予防の重要性を訴える。「治療が必要になる前に予防を心掛けてほしい。治療で埋めた穴のメンテナンスやかみ合わせなどを考えると、まず虫歯を作らないことが大切だ。どれほど高度な技術をもってしても、本来持って生まれた歯以上に質の良いものはない」。また、虫歯の低年齢化も心配される。八若教授によると、以前はなかなか見られなかった2歳児が虫歯になるケースが、最近増えている。この研究が小児の虫歯予防を促進し、夜型生活習慣への抑止力となることが期待される。