広域複合災害研究センター設置 文理にまたがる災害研究を実施

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山田孝センター長(16日、フロンティア応用科学研究棟)

本学は昨年9月の胆振東部地震など近年増加しつつある自然災害を受けて、「広域複合災害研究センター」を今月1日付で設置した。文理にまたがる多分野の研究者らが連携し災害予測・対策について研究するほか、災害発生時にはセンター所属のメンバーによる「アドバイザーグループ」を派遣することを計画している。研究成果は防災教育や自治体への技術支援などにも生かしていく。

同センターでは、地震や台風、豪雪などによる幅広い自然災害を研究する。その成果を重ね合わせ、年間を通した市町村レベルの防災計画の作成に取り組むのが特徴だ。地震の後に土砂災害などが連鎖的に発生するようなケースも想定するという。メンバーは農、工、理、文、経済、公共政策の学内外の研究者ら29人で、多面的なアプローチによって研究に取り組む。設置から5年間は北海道内の地域に絞って研究。札幌をはじめとした特定の地域における災害特性などを研究し、汎用的に使える防災計画やガイドラインを作成して、自治体に提案することを目指す。

災害が発生したときには、センター所属の研究者らで構成されるアドバイザーグループを被災地に派遣することを計画。自治体など関係機関と連携し、災害をもたらした現象を分析して必要な助言を行う。また、シンポジウムの開催などによる防災教育にも取り組むほか、平常時でも自治体の相談に応じる。

センター長の農学研究院・山田孝教授は16日行われたセンター開所式で「(災害に関する)社会的な仕組みなどを積極的に提言できるよう取り組む」と話した。また、笠原正典副学長(総長職務代理)は「道内、国内のみならず海外においても災害研究分野でリーダーシップを発揮することが期待される」と述べた。

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