工学におけるシミュレーションの重要さ【編集部ブログ】
皆さまこんにちは。北海道大学新聞編集部のH.S.です。
突然ですが、昨日札幌では大雪が降りました。そのまま根雪(溶けずに路面に残った雪)になり、道路は凍結状態。まさに一晩で銀世界となりました。
冬になると、交通の便が一気に悪くなります。こと大学生おいては、自転車が使えなくなり、雪道を歩かざるを得なくなります。特に朝から授業がある日は大変です。
さて、今回の記事ではシミュレーションについて取り上げたいと思います。
シミュレーションとは何か。これは、“実際の製品を使わずに、コンピューターなどを用いて仮想的に作成したモデルで実験をする”ことです。例えば、コンピューターで3Dモデルを作成し、仮想的に力を加えて耐久性を評価する、など。
実際の研究現場でもシミュレーションはよく用いられる手法です。シミュレーションの結果によって、製品を改良したり、あるいは実際に作成したり。
ここ最近、大学の研究に関連してモーターについて調べたりしているのですが、そこで思ったのは「シミュレーションって重要だ」ということ。
理由は至極単純で、「実際に製品を作らずに性能を評価できるから」です。
シミュレーションの手法が確立されていなかった時代、モノの性能を評価するには実際に作って使ってみるしかなかった。そのため、あるモノを改良するにも大変なコストがかかったわけです。
いくら事前に理論的に詰めていたとしても、実際に形にしたときにはどうしても上手くいかないことがあります。そのたびに作り直すのは大変な手間です。
ところが、シミュレーションの技術が発達した現在では、製品の設計・(コンピューター上での)作成・評価・改善、その全てをコンピューター上で出来てしまうのです。料理で例えれば、どのように調理して、どう味付けすれば美味しくできるかが、実際に作らずとも全て頭の中に入っている状態。
それなりのコンピューターとソフトウェアがあれば、ほぼ0コストで製品をいじることができる。これは大変重要なことです。
もちろん、そのためにはコンピューターを扱える人員が必要ですし、それなりに時間も要しますが、それでも実際に作って評価していた昔と比べれば大幅に効率が上がったと言えるでしょう。
こういった背景があり、シミュレーション技術の開発は現在でも活発に進められています。シミュレーションと現実では誤差が生じるため、それをいかに低減するか。また、大規模なシミュレーションをいかに早く終わらせるか。こういった分野は北大の教授らも貢献しているところです。
少しマニアックな話でしたが、いかがでしたか。ご自身の手元にある製品が、このような技術に支えられていること、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。