台風と地震で本学も被害【被害まとめ】
9月上旬、台風21号の接近と胆振(いぶり)地方中東部を震源とする最大震度7の地震が相次ぎ、本学構内でも被害が発生した。台風による風で約70本の樹木が倒れるなどしたほか、地震による建物・物品の被害が確認されている。地震後の大規模停電では、本学ホームページのサーバー停止や学内店舗での品薄や欠品などが発生し、混乱が続いた。
台風21号 約70本の倒木が発生
台風21号は暴風域を伴ったまま9月5日未明、札幌付近に最接近し、アメダスで最大瞬間風速33.4メートル(札幌、4日24時)を観測した。本学構内では樹木が約70本倒木したほか、北キャンパス総合研究棟で倒木により窓ガラスが割れるなどの被害が発生。とくに、北18条門から恵迪(けいてき)寮付近にかけて倒木が多数見られ、この周辺では外灯も2カ所で倒れた。いたるところで樹木の枝や葉が散乱し一部の道路では車両が通行できなくなった。本学施設部によると、倒木の回収は10月12日で終了したが、破損箇所の復旧にはまだ時間を要する見込み。
本学構内には老木が多く、強風による倒木や落枝が発生しやすい。このため本学施設部は、強風時には樹木周辺に近づいたり、駐輪・駐車をしないよう呼び掛けている。
地震 建物や物品に被害 停電の影響も
地震は9月6日午前3時7分ごろ、胆振地方中東部で発生し、本学札幌キャンパスの位置する札幌市北区では震度5強を観測した。本学構内では、タイルの剥落やコンクリート片の落下、壁面のひび割れなど建物に被害があったほか、施設内では実験装置の転倒やパソコンの落下など百数十件に上る物品の被害が確認された。クラーク会館の講堂ではモルタル片が落下し、31日現在も使用が出来ない状態となっている。モルタル片の落下はこのほかにも、工学部棟やアイソトープ総合センターなどで確認されている。
道内ほぼ全域が停電に陥った「ブラックアウト」で、自家発電設備がある一部施設を除き学内でも全面的に停電した。自家発電は大学事務局や北大病院、体育館に備え付けられており、体育館は避難所として学生や周辺住民らを受け入れた。また、停電の影響でホームページのサーバーが停止し、9月10日まで閲覧などが出来なくなった。セコマ北大店や生協など学内店舗でも品薄や欠品、営業の休止が相次いだ。
本学財務部と施設部は現在、一連の災害での被害金額を調べている。