学生メディアと広報誌のハイブリッド ―Letter【学内メディアの今昔】
学生生活に密着した生協広報誌
Letterは北大生協学生組織委員会(GI)が発行する学生向けフリーペーパーだ。同紙の編集は、新入生向け冊子『北大生の生活』の作成、共済活動などに代表される学生委員会の活動の一環。同紙は生協の広報誌として発行され、学生生活に役立つ情報を発信している。
同紙の前編集長・西岡尚樹さんによると、創刊の時期・経緯は記録が残っておらず不明だが発行回数は累計400回を超えており、複数ある生協の広報紙の中で最も歴史が長いという。現在と同様の形式になったのは2011年。受験生・新入生向け活動の拡大によって人手が不足し、2010年には廃刊を求める声が上がるなど存続が危ぶまれた時期もあったが、現在に至るまで年3〜4回の発行を保っている。
Letterの現在の発行目的は大きく2つある。学生の生活に役立つ記事を発行することと生協の広報活動を行うことだ。休刊も含めて今後のあり方を毎年検討しつつ、発行目的の見直しを繰り返している。
記事内容には特に縛りを設けず、編集部員が必要だと思うもの・伝えたいことを記事にしている。最近では、学生委員会の活動紹介や共済PRなどの生協広報記事のほか、グルメや旅行関係、“18歳からの社会人講座”など学生の生活に根ざした記事も数多く掲載している。
年3〜4回の発行であることから季節感を出すようにも心がけており、表紙のテイストも毎号異なる。随所に遊び心を散りばめることで親しみやすさも追求しているという。
Letterの505~508号の表紙。広報誌ながら、随所に工夫がみられる。
課題は知名度の向上
同紙は生協広報誌としては最も長い歴史を持つが、知名度の向上が課題だ。毎号行っているアンケート調査により、Letter読者の中にも学生委員会が発行していることを知らない学生が一定数いると分かった。
最近では生協会館や北部食堂での配布を開始するなど、より学生に認知してもらうため試行錯誤している。広報活動におけるインターネットの存在感が大きい時代ではあるものの、紙の形式で残していきたいと前出の西岡さんは言う。認知度100%を目指し、今後も取り組みが続く。